|
T34は外国製の戦車の模倣を卒業したソビエトが明確なコンセプトのもと開発した中戦車である。
まず主砲の76.2mm砲は当時としては非常に強力であり、発火しにくく燃費に優れたV型12気筒ディーゼルエンジンの採用や避弾経始を目的とした傾斜装甲、悪路での高い走破性を実現したサスペンションや履帯など、同世代の戦車に比べ優れた点が多かった。
更に特筆すべきは徹底した生産効率の良さである。部品点数を極限まで減らし大量生産を可能にした結果、大戦中だけでも60,000輌(各派生型合計)という膨大な数の生産を実現した。
独ソ戦開始と共に彗星のごとく現れた高性能なT34-76にドイツ軍は大きな衝撃を受け、その後の戦車開発において影響を受ける事になる。
ソ連らしい重点主義により大きなアドバンテージを得たT34ではあったが、その反面で乗員削減(4名)や無線機不足による指揮の乱れ、視界不良などに加え新兵器につきものの初期不良にも悩まされた。
随所に見られた欠点は細かなバージョンアップを繰り返し克服、必要な性能を必要な時に必要なだけ用意出来た点からすれば、第二次大戦の最高傑作戦車と言える。
T34一族は戦後も東欧諸国を始め、アジアや中東諸国で長年使用され、独自の改良型が無数にある希有な戦車である。
|